
本記事では、こんな疑問にこたえていきます。
この記事はそもそもブロックチェーンとはなにか?の続編として書いていますので、まだ見ていない方は先にそちらをどうぞ。
「ブロックチェーンの原理はなんとなく分かったけど、一体何がすごいのかピンとこない」という方が多いと思います。そこで、この記事ではブロックチェーンの特徴をいくつ解説していきますので、理解を深めていきましょう。この記事を読めば「こういうメリットがあるのか!」となりますよ。それでは行ってみましょう。
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ブロックチェーンのすごいところ3選!
結論、ブロックチェーンのすごいところはこの3つ!
- 中央に管理をするひとがいない
- 世界中のコンピューターを使って成立している
- データの改ざんが出来ない
ひとつずつ見ていきましょう!
中央に管理するひとがいない
ブロックチェーンのすごいところは「中央に管理する人がいないこと」です。
これには2つの意味があって、一つ目は「権力者がいない」という意味。もう一つは「システムによる役割の代替」という意味。
まずは前者から。権力者がいないとなぜすごいのか?基本的にどのサービスにも運営会社や出資元がいるわけなので、その人たちの利益となるような活動をします。もちろん、それらの組織にもポリシーがあって、よりよい社会を作るために存在しているわけですが、自社の売上を確保しなければならないのも事実。あくまでその会社の利益を重ねた先に「社会貢献」という目標があります。
どのサービスにおいても、管理者によるバイアス(偏見)はある
例えば、〇〇テレビの不祥事については〇〇テレビでは長々と放送しないでしょう。サクッと触れるだけ、あるいは視聴率が低い時間帯のニュースで少し触れるだけ、そういったことがあってもおかしくないですよね。あるいは、◎◎という国にある企業が運営している△△というSNSでは、国の政策に対する発言が禁止されていることがあります。なぜなら、△△というSNSは国の許可を得て活動をしているので、必然的にその国にとって都合のいい情報を選ぶしかないんですよね。そうしないと存続できない。
上記は一例ですが、言いたいのは、中央に管理者がいるということは、何かしらの力が働いていてもおかしくないということ。そして、それによって一個人や小さい組織は簡単に力を奪われてしまうということです。これに対して、ブロックチェーンは中央に管理者(=権力者)がいません。正確には、システムがその役割を担っています。ですので、情報の平等性という意味では、非常にフラットな環境を作り出すことが出来る。ここは革命的ですよね。
システムが取引の正当性を担保してくれる
もう一つの意味が「役割を代替してくれる」という点。要するに、これまでお金を管理してくれていた組織(銀行やクレジットカード会社など)の役割をシステムが代替してくれるということ。
例えば、私たちがなにかモノを買うとき、販売元に対してクレジットカードの番号をメールで送らないですよね。なぜなら、メールは第三者に閲覧されて悪用される可能性があるから。そう、インターネット上の情報は基本的に外部からアクセスされる可能性が高い。なので個人情報やクレカ情報といった、大切な情報をインターネット上で扱うには「安全性を担保してくれる組織やサービス」を介する必要がありました。
でもブロックチェーン技術を使えば、それらの組織に頼らなくてもデータが守られます。なぜなら、ブロックチェーン技術では第三者がデータを改ざんすることが出来ないからです(これについては、後でまた説明します)。データのやり取りの一部を自動化できるということは、シンプルにコスト削減につながります。これまでは入出金や送金のたびに支払っていた手数料がかなり安くなります。
また時間の制限もかなりなくなります。入金期日が明日までなんだけど、すっかり忘れていた・・・というときでも、ブロックチェーンを介した送金システムなら、夜の11時にスマホからワンクリックで送金が可能です。すぐにできる、送金のタイムラグもほとんどない。そんな特徴もメリットのひとつです。
ブロックチェーンの種類は2つある
実はブロックチェーンの種類は2つあります
- パブリックチェーン
- プライベートチェーン
パブリックチェーンはビットコインなどに使われています。ビットコインを買いたい人は、取引所で買えばすぐに送金出来ますし、他のコインと交換することも可能です。誰の許可を取るわけでもなく、自分で設定を完了してしまえばすぐにでも使うことが出来ます。取引履歴はオープンにされていて、だれでも他の人の履歴を確認できます。このように、利用するときに条件が無く、すべてのユーザーが平等な条件でつながっているのがパブリックチェーンです。透明性が高い点がメリットですね。
一方、プライベートチェーンは管理者がいます。ブロックチェーンは管理者がいないんじゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、プライベートチェーンについては存在します。ちょっと理解が追い付かないという方は、ひとまずここはすっ飛ばしてもOKです。
要するに、さっき説明したパブリックチェーンには「ユーザーが多すぎる・取引が多すぎる」という短所が生まれてしまうんですね。これだと、ブロックチェーンのもつ「いつでも楽に安く決済可能」という特徴が失われつつある。ですので「頻繁にやり取りするメンバーだけのチェーンを作って、その中でスムーズな決済網を作ろう」というのがプライベートチェーンです。
中央管理者がいるメリット
上記をみると、察しの良い方はわかるはずですが、実は中央管理者がいることのメリットは大きいんです。完全にフリーな環境では、なにかトラブルがあっても当事者自身で解決しなければならないことも多々。それに対して中央管理者がいる状況だと、代理で解決してくれたり、場の収束をしてくれます。そういった意味では、プライベートチェーンは中央集権型の良さと、分散型システム(=ブロックチェーン)の良さを兼ね備えているとも言えますね。
世界中のコンピューターを使って成立している
ブロックチェーンのすごいところその②は「世界中のコンピューターを使って運営をしているところ」です。
ここでも、まずは従来のシステムをイメージするところから始めてみましょう。
中央管理者がいるサービスの運営方法
中央管理者がいるサービス、例えば私たちが良く使っている主要なSNSをイメージすると、そこには管理者が保有するサーバーがあります。サーバーを使って私たちの情報を管理しているんですね。もちろん一つだけというわけではなく、いくつかのサーバーに分散させていることもあるかと思いますが、それでも想像の範囲内の数と思われます。
中央管理する際の運営方法にはデメリットがあります。サーバーが壊れてしまうと、そのサービスがダウンしてしまうこと。依存性が強いんですね。また維持コストやサーバーの保守にも大きなコストがかかります。常にメンテナンスが必要ですので、数少ないサーバーが生命線になっています。一方、それがメリットにもなり得ます。もし壊れてもすぐに修理が出来る体制を整えておけば、復旧までそう時間がかかることもありません。またアップグレードの際も同様に、サーバーをメンテすれば完了します。
ブロックチェーンを使ったネットワークの運営方法
対して、ブロックチェーンで使われているのは世界中の人々のコンピューターです(これをノードといいます。以下ノードで統一します)。ブロックチェーンの仕組みを維持させているのは、世界中の有志の方々なんですね。それぞれのノードが独立してブロックチェーン上での取引履歴を記録する機能を持っているので、仮にどこかのノードが壊れてしまっても影響は小さいです。なぜなら、他のノードが代わりに記録の役割を担えば良いだけですから。
むしろ、ほかのノードからしたら、自分の役割が大きくなることはうれしいことです。なぜなら、ノードには報酬が支払われているから。例えば、私たちがビットコインを誰かに送金する際にはブロックチェーンを使いますが、その際の処理は世界中のノードが処理をします。その際に、一定のビットコインがノードに支払われます。いわゆる手数料ですね。
ブロックチェーンが分散型と呼ばれる理由はここにあります。分散型のネットワークではノードが増えるほど、サービスに安定性がうまれます。ブロックチェーンは永久的にその取引取引履歴が残りますが、その原理を支えているのがこの仕組みです。一定数の参加者がいる条件下ではありますが、安定性という面ではブロックチェーンに分がありますね。
分散型ネットワークはとまらない
ブロックチェーンは24時間365日フル稼働です。世界中のノードが仕事をしているので、システムのメンテ、保守にかかる時間は存在しません(実際にはそれぞれのコンピューターの保守点検はしていますが)。実際、ビットコインのシステムにおいても、ビットコインが始めて世に出た2009年から一度も止まっていません。これはビットコインの信頼性、ひいてはブロックチェーンに対する信頼性を担保している事実のひとつです。
仮想通貨の価値にはボラティリティがありますが、基盤技術のブロックチェーンはこのように、かなりの実績を持っています。ですので、技術自体は確かなものだなと確信しています。ブロックチェーンを使ったサービスはまだ発展途上ですが、基盤技術はしっかりしていることがわかりますね。
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データの改ざんが出来ない
ブロックチェーンのすごい特徴その③は「データの改ざんができない」ところです。
冒頭でも触れましたが、ネット上のデータって、簡単に改ざんが出来てしまいますし、侵入されてしまいます。ネットワークにつながっているパソコンであればどのパソコンも第三者のハッキングを受ける可能性を持っています。いわば、これまでのインターネットの常識的な価値観では「ネット上のデータは常に危険にさらされていて、そのため重要なデータについては厳重なセキュリティ下で扱わなければならない」と思われてきました。それは大きく変わりませんが、ブロックチェーン上ではそれに限りません。
繰り返しになりますが、ブロックチェーンではデータの改ざんが出来ません。その仕組みを理解するには「ブロック」と「チェーン」に分解して考えてみるのが良いです。
ブロックってなに?
結論、ブロックとは取引履歴が詰まったデータのこと。チェーンによりますが、ブロックは一定時間で作成されることが多いです。そのため、1つのブロックに取引履歴がたくさん詰め込まれているというわけではなく、たくさんのブロックが出来ることになります。作成されたブロックは、自分以外の2つのブロックとつながることになります。それが過去のブロックと未来のブロックです。
ブロックには2つのデータが刻まれます。「取引履歴」と「ハッシュ」です。取引履歴は言わずもがな、そのチェーンを使った人のアドレスや金額が刻まれています。一方、ハッシュは、過去のブロックのデータを元に作成される値です。過去のブロックに刻まれたデータに依存してハッシュが出来るということ、つまり、過去のデータを改ざんすると、このハッシュの値と整合性が取れなくなります。これがブロックチェーンが改ざんできないといわれるゆえんです。
チェーンってなに?
ブロックは実際に存在します。上記の通り、取引履歴とハッシュを含んだひとまとまりのデータのことです。一方、チェーンは存在しません。1つのブロックが過去と未来のブロックのデータに、相互に影響しあっているため、その関係性を表現するためにつかわれている言葉です。ですので、ブロックチェーンと言われて、ブロックがチェーンでつながっているんだと考える際には、それがブロック同士の関係性を表しているんだと考えるようにすると良いですね。
ブロックチェーンは改ざんできないこともない?
事実、ブロックチェーンは改ざんが100%不可能なわけではありません。ですが、多くの人がブロックチェーンを信用しているのは次の2点が要因です。
- 改ざんするのにめちゃくちゃ金がかかる
- 改ざんしたら、自分が持っているコインの価値も下がる
ブロックチェーンを改ざんするには、莫大なパワーをもつコンピューターが必要になります。その時点で、誰が犯人か目星がつきそうなものですが、仮に誰がやったかわからない場合でも、そのコンピューターを使うのにすっごく電力がかかります。数十万レベルではなく、億単位でかかります。ずるしてお金を稼ぎたいのに、ずるをするためにめちゃくちゃお金がかかっては元も子もない・・ですので「たとえ出来る能力を持っていても、損しかないなら、改ざんはしないだろう」と予想しているんですね。
加えて、データを改ざんしたら、ブロックチェーンに対する信頼性は一気に失われます。多くのコインやサービスが無価値になるでしょう。犯人はブロックチェーンに精通している人でしょうから、業界の地位を下げることはその人にとってデメリットでしかないはず。ですので、ここでも「そんなことはしないだろう」と考える人が多いんですね。
より不正を防ぐ仕組み「Proof of Stakes」
ビットコインはProof of Woksとよばれるアルゴリズムで動いています。これはこれまでご説明してきたように、手数料を目的として世界中の参加者がこぞって計算をする仕組みを表しています。ようするに、報酬があることで成立している世界です。一方で、これにひとつの要素を加えたものがあります。それがProof of Stakesと呼ばれるアルゴリズムです。違いは「参加者の仮想通貨保有量と保有期間を考慮している」というところ。昔から仮想通貨をたくさん持っている参加者であれば、改ざんをする可能性は低いだろうという考えを織り込んだアルゴリズムです。これによって、より改ざんのリスクが低くなります。
ブロックチェーンは信頼できる技術かも
さて、この記事のまとめです。
ブロックチェーンのすごいところは3つ。一つ目は、中央に管理をするひとがいないから、ローコストで即時的な決済ができる。加えて、情報統制などの影響を受けにくいところ。二つ目は、世界中のコンピューターを使って成立しているので、ネットワークの安定性が高いところ。そして三つ目はデータの改ざんが出来ないので、安全性が高いところ。
仮想通貨は、それぞれのプロジェクトにより波があります。プロジェクトはうまくいかないことも多いので、価値が急落することもある。そのため、仮想通貨は危ない、持たない方が良いと考えられてしまうこともあります。それはその通りかもしれませんし、今後そのプロジェクトがまた再起をして信用を勝ち得ることもあるでしょうが、いかんせん、それらとブロックチェーンに対する信用は分けて考えるべきだと思っています。
ブロックチェーンに対する評価をするべきなら、この記事で解説したような安全性や安定性、そして即時性や平等性といった点が損なわれていないか・・そういった点に着目するのが良いのかなと。いまのところ、ブロックチェーン自体の信用を大きく損ねるような事案はおこっていないと思いますので、今後もブロックチェーンの将来性に期待しつつ、その上に乗っかるサービスに投資をしていきたいと思います!
そんな感じで以上です、今回は以上です!
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※ 対象:国内の暗号資産取引アプリ、期間:2019年〜2021年、データ協力:AppTweak